BLack†NOBLE


 点滴が繋がれたシンプルなベッドに横たわる蔵人。アリシアはその隣で図々しく横になり寝息をたてている。


 顔色が少し良くなってきたように見える。大窓から差し込むカーテン越しの柔らかい朝日のおかげで、そう見えるのかもしれない。



『蔵人……』



 返事はない。揺すり起こして一発ぶん殴れば、文句を言いながら目を開きそうだけどな。

 

 右手を握り締めた。昨夜の傷がズキンと痛んだ。







 
< 310 / 509 >

この作品をシェア

pagetop