BLack†NOBLE


────スフォリアテッレが気に入った彼女は、今朝も焼きたてのスフォリアテッレを口にする。


「焼きたても美味しいけど、お兄さまがバスケットに入れてプレゼントしてくれた最初のが一番美味しかったわ」


「貴女は、また朝食から甘いものばかり食べて……」


「いいじゃない。柏原が全然甘いこと言ってくれないから、糖分不足なのよ」


 焼いたパイ生地にナイフを刺してサクッと音をたてて頬張る。

 それから野菜とベーコンと豆を煮込んだミネストローネをスプーンですくいマイペースに食事をする彼女。


 朝が弱い彼女だが、今朝は早起きをしてすこぶる機嫌がいい。いつもの幸せな光景だ。


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