BLack†NOBLE
彼女の腕を引き寄せて、エスプレッソを飲んだ口で深いキスをする。
「んんんっ!?」
アーモンドクリームの甘い味がする彼女の舌を絡めるとる。
『うぉっ!?』と後ろでジェロの叫び声が聞こえた。
「悪い味じゃないだろ?」
クスクスと笑うと「嫌よ! にがぁ~い!」と情けない声をあげて、ミルクティで口を潤していた。
顔を赤くさせたニナが、湯気が上るスープを運んできた。幸せな朝食が再開する。
気が重いな…… 幸せが上乗せされればされるほど、右手のひらの傷が痛む。
彼女との世界と、蔵人との世界は両極端にある。
ぐらぐらと揺れる不安定な天秤の上で、幸せな気持ちになり、黒い影が背後に忍び寄る恐怖に怯える自分がいる。
この後、片付けなければならないことがある。
彼女を日本に帰さなかったせいで、レイジが抗議したそうに待ち構えている。
それにシチリア幹部のカルロも屋敷に残ったままだ。
この食事を済ませたら、また彼女とは離れ離れだ。