BLack†NOBLE

『待たせた』


 昨日と同じ会議室は、朝の華やかな光が差し込んでいた。


 カルロはただ一人でその光を受けているが、奴の闇はそんなものじゃ太刀打ちできない。光が打ち消されている。

 掘りの深い顔立ちは、石のように冷たい。


『我々は、時間約束というものをしない。よって待つという行為は存在しない』


 厄介な男だな……話し方に癖があって、蔵人に対する忠誠心は人一倍ありそうだが、その分取り扱いが難しい。

 昨夜は俺を助けてくれただけに感謝もしているけど。


 黒い皮の席に座ると、カルロとは対面に座る。目がばっちりと合う位置で、居心地が悪い。



『カラビニエリが動き出した。今後の指示をお聞かせ願いたい』





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