BLack†NOBLE

 インテリジェントなオフィス内を早口で自慢される。

 近代的でビル全体がフリーアクセスフロアーとなっている。迅速な通信が信頼と実績を勝ち得ているとアンドレは言った。



『アウトソーシングはしないのか? 全て自社で抱えて、見ているだけで重苦しい。コスト削減にもなると俺は思うけどな』


『メルフィスは、組織の基盤がしっかりとしている。不要だ』


『そうか? よくわからないな』



 レイジが落ち着かない様子で、しきりに携帯電話を確認したり、時計を睨み付けたりしている。



『瑠威様、カルロは先にカジノに到着したようです』


『まだ開店前だろ? 酒でも飲んでるのか?』


 俺の放った冗談には、アンドレの部下二人が苦笑いしただけだ。


< 333 / 509 >

この作品をシェア

pagetop