BLack†NOBLE
─────レイジにアンドレ、それに護衛が三人。これだけの人数を引き連れて歩けば人目につくだろう。
ゆったりと二時間かけて食事をして、ジュエリーショップで彼女が好きそうなネックレスを購入した。
マセラティ三台で列を作りカジノに向かう。隣に座るレイジは不機嫌そうだ。
『久々のミラノを満喫できてよかった』
『瑠威様……あなたは賢い人だ。時間稼ぎをして敵を呼び出したいのなら、最初からそう仰ってください。後をつけてくる車が二台あります』
『三台だ。よく見ろよ。攻撃してくると思うか?』
『ああ……いえ、わかりません。ただカジノは大通りに面した人通りの多い場所にあります。
今までの狙撃は、深夜の山道、裏通りのパン屋、同じく深夜の海岸とあまり目のつかない場所ですから、ここでの攻撃はないかもしれません』
『だといいな』
サイドミラーから後続車を確認する。中にいる男たちの顔までは見えない。