BLack†NOBLE
ため息を吐いてから平静さを取り繕った顔をつくると、下品に光る店の入り口に足を進める。
カラビニエリの目の前を通過する。奴らは俺を睨み付けただけで、静止を求めてはこなかった。
レイジとアンドレも俺の後に続いたが、止められることはない。
『レイジ、店は営業はしているのか?』
『はい、通常通り営業はするように言ってきたらるらしいです。カルロから連絡がありました』
『それは、おかしいな……』
『はい、私もそう思います。何か他に目的があるのかもしれません』
何故カラビニエリは俺を足止めしなかったんだろう?
職務質問されても困るが、素通りできるとは思わなかった。首を捻りながら、カジノの中に入る。