BLack†NOBLE
お世辞にも儲かっているようには見えない営業中のカジノのカウンターで見慣れた顔を見つけた。
セシルとカルロだ。
『瑠威っ!』
セシルは俺の名前を呼ぶと、一目散にやってきて俺の胸ぐらを掴んだ。
『貴様、何を考えている! 捜査を拒まなかっただろ! クロード様なら、必ず裏で手を回して公的機関を俺たちのテリトリーに踏み入れさせなかった!
お前のせいで、うちのファミリーから逮捕者が出た!』
『レイジ、手を離させろ。誰の胸ぐら掴んでると思ってるんだ? 死にたいのか』
『てめぇ……ボスの弟だからってだけで、偉そうに!』
殴られても構わなかったが、レイジが身を呈して俺を庇い、カルロがセシルを押さえつけた。
『何故、逮捕者が出た?』