BLack†NOBLE
煌びやかなネオンの通路を抜けて、夜の街に出た。入り口のカラビニエリは、動かずそこにいた。
制服姿で目深に帽子をかぶり、俺を強烈に睨み付けると何かを囁きあった。
営業妨害もいいとこだな。警察官が入り口にいるカジノなんて最悪だ。
『こっちよ』
マティーニの甘い香りをさせた女が俺の腕をひく。通りを挟んで向かいのホテルを指差した。
『ここの九階よ。夜景も綺麗で最高にロマンチックな部屋で、こんなに素敵でミステリアスな男と過ごせるなんて夢みたい』