BLack†NOBLE
─────フィレンツェに戻り。レイジやカルロは今回の事件の“残務処理”に追われた。
事件の全容は………“嫉妬”と“因縁”
コッグとグレコは、所詮蔵人が羨ましかったのだろう。手に入れられなかった地位を、どうしようもなく羨ましかったに違いない。
奴らは姑息な手段でメルフィスを挑発してきた。俺とアリシアを襲撃してきたのも、直接蔵人に手を出さずに両親を殺したコッグとグレコらしい最低の行為だ。
蔵人を狙撃してきたのは、コッグとグレコの派手な挑発に便乗してきたイタリアの別組織だ。
奴らはメルフィスに縄張り争いで負けて悔しい思いをしてきたらしいが、メルフィス自体を敵に回したくない。
コッグとグレコの背後に隠れ、蔵人を傷つけることができた途端満足して手を引いた。
カラビニエリが動き出し、蔵人を傷つけられたメルフィスが本気になった。
コッグとグレコは、きっと考えたと思う。
何故、こんな無謀な勝負に手を出してしまったんだろう……と。
奴らには居場所がなかった。
死を覚悟して、それでもきっと最後までマフィアでいたいと願ったんだと思う。
それがマフィアってもんだ。