BLack†NOBLE
『いや、すごくいい答えだ。俺は強がってばかりで、口だけだ。
セシルを巻き込んで悪かった』
『お前には何の責任もない。俺はセシルを信じていたが、セシルがファミリーにドラッグという危害を加えたのは事実だ。そこに死の要因がある。
お前には、何の責任もない。セシルもそうは考えていない。奴はファミリーのために犠牲になった』
『……だといいけどな』
カルロは繰返し訴えると、また表情を緩めた。
『日本帝国には、侍がいると聞いている。一度行ってみたいと思っている』
『ありがちな話だな、日本はもう帝国ではない』
日本が、未だに戦国時代さながらの国だと信じている奴は多い。
『そうなのか? でも忍者はいるだろう?』
『ああ、いるかもな。探しにくるといい』
グラスを煽ると、アリシアが後ろから俺に飛び付いてきた。
『瑠威!! あの小娘どこよ?』
『彼女なら、クロードの部屋だ』
アリシアは、俺の肩を掴むと前後に強く揺さぶる。
『何よ! あんな処女みたいな青臭い売女連れてきて! 私のクロードたぶらかさないでよーっ』