BLack†NOBLE
「魅力的な家ね。柏原! ずっとここで暮らしていたの?」
「父親の転勤で違う国に移り住んだが、生まれた時からこの家はずっとうちの所有物だった……」
彼女は調子外れなスキップをしながら、扉の一つ一つを開いては歓声をあげている。
「凄いすごい! 柏原の家なんて、鉄かレンガでできた冷たい家だと思ってたのに、こんなに明るくて木の温もりがあって素敵な家だったなんて!
まあ、パーティールームもあるのね! ここでお誕生日パーティーとかしたのかしら?」
「したよ……俺も蔵人も……」
「ねえ、何階まであるの? 上の階に行ってもいい?」
「いいよ、行こうか」
彼女をエスコートするために右腕を差し出す。嬉しそうにはにかんで左手をそっと添えた彼女の頬にキスをした。