BLack†NOBLE
「嫌なんて言うはずないでしょ……柏原のバカ……」
彼女がぎゅっと俺の首に絡みつく。
「柏原が大好き……この指輪も、この家も、こんな素敵なもの他にはないわ。私、全部全部大好きだから……」
細い顎に指を添えると、泣き顔の彼女の顔に視線を奪われる。
赤くなった目の縁から、涙が溢れる。
「ありがとう」素直に礼を言えた。
彼女が必要だ。これからも、ずっとずっと彼女が必要だ。
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