BLack†NOBLE
『クロード、起きてよ……お願い目を開けて……』
いつもは、ワインと葉巻と香水の入り雑じる甘く危険な香りのする部屋。
白いタイルに、白い壁、 焦げ茶のベッドが一つ。
ポツンと寂しそうに置かれていて、枕元には拳銃が一つ。 異様なまでの存在感を放っているのに……
サラリとした黒髪、青白い顔。
握り締めた腕には点滴の針が刺さる。
『クロード……』
私にできることはただひたすら神に祈ることだけで、いつだったかクロードがこのベッドに他の女を連れ込んでいた時にでもいいから戻りたい。
クロードが目を覚ましてくれればそれだけでいい……