BLack†NOBLE


『はぁ……』



 ため息をついて、白い枕に横たえる美しい首筋を指でなぞる。



『ほんと、クロードって綺麗な顔してるよね……ミケランジェロでもこんな綺麗な男の絵は描けないよ……』


 銃で撃たれて瀕死の重症。傷は回復が見込めるらしいけど、出血のショックで意識が戻らなくなって一日以上が経った。


 クロードの頬に自分の唇を押し当てる。


『愛してるよ、クロード……クロードは私のことなんて全然好きじゃないと思うけど、私はクロードを本気で愛してるから』
 

 悲しくて泣けてきた、彼は本当は誰を愛してるんだろう?

 ひょっとしたら、そんな女いないのかもしれない。彼は女なんて必要ないのかもしれない。



 クロードの胸にピタリと頬を寄せた。


 トクン……
 トクン……

 ゆっくりとした心臓の音が聞こえる。



< 431 / 509 >

この作品をシェア

pagetop