BLack†NOBLE

 ふふふ、と笑う妹に蔵人は目を細めた。


 細い体に良く似合うパフスリーブのワンピース、ちょこんとソファに座る姿はお伽話の可愛いプリンセスのようだ。



「毎朝か……あの瑠威がそこまでやるとはな」小声で呟くと、腕を広げた。


「脇腹撃たれ傷ついてるから、優しく抱きついて来いよ」


 茉莉果は、その腕に吸い込まれるように包まれる。



「柏原は、本当はお兄様と一緒に暮らしたいみたいだったの。私、一回返品されそうになったもの……ショックだわ」

 蔵人は、茉莉果の栗色の髪に口付けをする。


「瑠威は、茉莉果を選んだよ。

 それにアイツと一緒にいると俺は弱くなりすぎる。これ以上ファミリーを危険にさらせない。瑠威が茉莉果に対して弱くなると一緒だ。

 だから、一度日本に帰すことにした。

 
 ……ってことは瑠威には言うなよ。いいな?」

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