BLack†NOBLE


 その画像は瑠威の横顔だ。かなり至近距離から撮影しているのに、当の本人は気がついていない。

『瑠威の護衛をしている奴からのメールだ。俺がマフィアになってから、ずっと瑠威に付かせている』


 ずっと?

 レイジは首を傾げた。


 クロードがボスになってから、ずっとアンダーで仕えてきた。

 それなのに、瑠威に影の護衛がいたなんて……

 そういえば、瑠威がイタリアにやって来た事も何故クロードが知ったのか謎だったのだ……



 画像は、次々に変わる。瑠威が幸せそうに微笑む姿も写されている。

 隣にいるのは、もちろん茉莉果だ。



『まだあるぞ、見たいか? 俺のるーたんコレクション』

 
 真顔で自慢するクロードに苦笑するレイジ。


『見たいです……本気で私も瑠威様をお慕いしております』


『そうだろ? だから、最近はコレをローザとカルロにも送ってやってるんだ。二人とも喜んでる。レイジにもやろうか?』


『カルロまで?』


 レイジはますます苦笑した。


『だから、瑠威の事は心配するな。俺はお前達よりずっと以前から瑠威の事は心配して生きてきた。

 アイツの事を忘れた日なんて一日もない』



──それならば、何も心配いらない。


 レイジは、深く頷き麗しのボスに尊敬の意を込めて頭を下げた。






手錠に繋がれた弟
THE END

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