BLack†NOBLE

 ニナを壁に押し付け、手を背中に捻りあげた。



『瑠威様おやめください……痛い』

 小さな悲鳴のように吐き出された言葉は、恐怖と不安でひきつらせた顔。


『俺が、何をしたいかわかるだろ?』


 化粧気のないニナの横顔。セミロングのブラウンの髪は、人形みたいな透明感がある。

 異国人の髪質だ。


 お嬢様も栗色の髪をしているが、やはり深みがある。

 しなやかだけど、柔らかく、何度口づけても甘い香りのする髪だ。

 ドレスに合わせて、髪をアップにすると、首元に後れ毛が落ちて……それが歩く度に揺れる。



 そこがとても愛嬌があり、俺はいつだって力の限り抱き締めたくなるんだ。





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