BLack†NOBLE
「瑠威、車に乗れ」
怪我をした肩を蔵人に掴まれた、痛みをこらえて振り返る。ニナが巻いてくれた包帯がよれる程、強い力だ。
最低だなっ……
俺たちに用意されていた車は、ダックスフンドみたいに長いバンだ。
中はナイトクラブのような装飾で、ガラスには黒いスモークが貼られていて外の様子が一切わからない。
座席が扇状のソファに改造されて、低音の耳障りなサウンドシステムまで搭載されているようだ。
蔵人が乗り込み、俺が座席に座ると間に女が一人ずつ乗り込んできた。
綺麗なカクテルドレスを着て着飾った女が全部で三人入ると、扉が閉められる。車内は、甘い香水の香りで充満した。
「どこに連れて行く気だ?」