BLack†NOBLE

 蔵人の侵略は止まらない。 深い口付けに酔わされたアリシアは、蔵人に体を預ける。


「くだらない。俺は出てく」


 グラスを置いて、席を立つ。



「待てよ、瑠威。面白いもの見せてやる」



 アリシアがロマネ・コンティの香りがする甘い吐息を吐き出した。こんな事なら、彼女と一緒にいさせてくれ……




『あんっ……クロード……』


 深紅のドレスの、ホルダーネックが外される。


 そうすると必然的に彼女の胸が露わになる。


 視線を出口に向けた。護衛が二人とレイジが俺を睨みつけている。



『瑠威、見てみろ。ノーブラなんて……エロすぎだろアリシアは』


『やめて、クロード! こんなに人がいっぱい居るところ嫌よ……あぁ』



 蔵人の両手が好き勝手にアリシアの胸を弄ぶ。


「そんなもん見たくもない、いい加減にしろよ!」


 アリシアは、ソファーの前に立たされる。するとドレスがはらりと落ちて、全裸に近い格好になった。



『嫌! クロード、本当にやめて!』


『うるさい……黙れ。おまえは、俺の玩具だ。文句言うなら、相手にしないぞ?』

 アリシアは小さく頷いた。


 明るい部屋で、護衛や、レイジ、それにバーテン……料理を運ぶ女達の前で蔵人はアリシアの肌に舌を這わせ、首筋に噛みついた。

 アリシアの甘い吐息。蔵人の冷めた目が、酷く対照的だ。



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