BLack†NOBLE
部屋を出ようとすると、護衛にライフルを突きつけられた。そんなもん腹の中に撃ち込まれたら、一発で内蔵が破壊されるだろう。
『退け。生憎、生AVに興奮するほど飢えてるわけじゃない』
『瑠威様、クロード様の命令は絶対です。この部屋にいてください』
レイジが大きな体で俺を押し返す。
アリシアは肩で呼吸をしながら、小さく震えてソファーに崩れ落ちた。
蔵人はアリシアを後ろから抱き寄せ、自分の膝の上に座らせた。
形のいいバストがツンと上を向く。
『クロード、絶対許さない……』
力ない抵抗。体は蔵人を求めているみたいだ。
アリシアは両腕をねじあげられた、そして蔵人の右手は彼女の細い首を締め上げる。
『んっ……苦しい……』
『生意気な口をきくな』
喉を詰まらせ眉を苦しそうにしかめ。その綺麗な顔が赤らむ。護衛は荒い息を吐き出した。
『レイジ、ホールから若くて頭の悪そうな男を一人連れて来い』
アリシアは、蜘蛛の巣に絡まった美しい蝶のようだ。
毒を持った蜘蛛は、餌を見せびらかすように俺を見る。
『いい女だろ? 瑠威』
蔵人は危険すぎる────
アリシアの顔が、赤から白に変わっていく。
『一度、抱いてみたいと思わないか? コイツは俺が色々調教してあるから、音楽一家の令嬢ではできないくらい楽しめるぞ?』
『鬼畜野郎……』
『嫌いじゃないだろ? 苦痛の中の快楽を与えてやるのが、楽しくてたまらない……女遊びって、そんなものだ』
この世界を統治するのは蔵人だと錯覚してしまいそうだ。
俺たちは、皆踊らされて支配されてゆくしかないのか?
『手をはなしてやれ……』
アリシアが酸素を必死に吸い込む。
『抱くか?』
首を横に振ると、またアリシアは気道を塞がれた。