とけないゆき
「それでも、嫌だったんだもん。」



もう嫌になって


帰ろうとした。


一歩一歩高野から離れた。


「おい、おい!」



急にすごい勢いでスクールバッグを引かれた。


痛くなった左肩の横には、高野がいる。




「まだなんかあんの?」



さらに冷たい目をした私を高野はまた笑って見せた。



「お前、やっぱブスだな。」



・・・・・・。



私はなんの表情も変えず、


左肩の上にある高野の手を振りほどき、歩き出した。



ブスなことなんて、知ってるのに。


改めて高野に言われると


すごく心が痛かった。
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