とけないゆき
私はどう言葉を返していいか分からなかった。


「あっそ。」



そうしか言えなかった。


「嬉しいんだろ?」


私をいじっているつもりなのだろうか?


私がこいつなんかに・・・・・・


こいつなんかに、ドキドキするわけないのに。



「そんなわけないでしょ?私の名前知ってるなんて気持ち悪い。」




どうしていつもにも増して

こんなに冷たくしてしまうのか、おかしくなっていた。



本当は、名前知っててもらえて嬉しかったのかもしれないけど・・・・・・。



「は?お前の名前だけ知ってるわけじゃねえから。俺、転校生なんだから、クラスのやつらの名簿くらい持ってんだよ。」



ホッとしたような、寂しいような気持ちになった。


当たり前だけど

私は特別じゃない。
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