優しい手①~戦国:石田三成~【完】
謙信に抱き上げられて姿を見せたのは…
艶やかな長く黒い髪が美しく、両目を布で覆った盲目の女子だった。
「父上!?」
「私のとても大切な人だよ。景勝にはもう紹介は済ませたけど、君とも仲良くなってほしいんだ。どうにも君たちは女子を嫌う傾向にあるからね」
――北条氏康の実子で、人質として越後に迎え入れられた本名北条三郎。
その生い立ちを哀れに思った謙信が養子に迎え入れ、この時代で随一美しいと評された景虎は謙信に心を開き、“上杉”の名を正式に背負った。
きつい顔立ちだが抜群に整った容姿で、同じく養子の景勝と同じ位に女子の扱いは下手で、不慣れだ。
なので桃を見た途端景虎も固まってしまい、一歩後ずさった。
「ち、父上…まさか…」
「しばらくここに住まわせるからね、仲良くしてほしいんだ。ほら姫、今目の前に私のもう1人の養子の景虎が居るから声をかけてあげて」
――がちがちに緊張してしまっている桃は謙信の腕に抱かれたまま、どこに居るかわからない景虎に向かって声を上げた。
「桃です、しばらくの間ご厄介になります!今は目が見えないけど、よろしくお願いします!」
その快活な挨拶に、やはりこの時代の女子には似つかわしくない何かを嗅ぎ取った景虎は眉を潜めた。
「景虎、君もちゃんと挨拶を返しなさい。失礼でしょ?」
「し、失礼しました。私は上杉景虎と申します。以後、お見知りおきを…」
そう言いつつ桃から目を離さない三成の存在と、そして奥州の国主である伊達政宗らしき人物と、片倉小十郎と思しき人物が気になって仕方がなく、景勝に耳打ちをした。
「奥州の…馬鹿宗なのか?」
「ああ。それと桃姫から目を離さないのは尾張の石田三成だ。難しい話故、後で父上が俺たちにお話をしてくださる」
大勢の重鎮が城の前に勢ぞろいし、謙信は笑みをたたえたまま城の中に入った。
「ただいま、お目当てのものを持ち帰ってきたよ」
皆が固唾を呑む。
謙信が持ち帰ったものは、可憐で可愛らしい盲目らしき姫君だったからだ。
「殿…そちらは…」
「うん、私の大切な人。皆、粗相のないようにね」
いよいよ猛攻が始まる。
艶やかな長く黒い髪が美しく、両目を布で覆った盲目の女子だった。
「父上!?」
「私のとても大切な人だよ。景勝にはもう紹介は済ませたけど、君とも仲良くなってほしいんだ。どうにも君たちは女子を嫌う傾向にあるからね」
――北条氏康の実子で、人質として越後に迎え入れられた本名北条三郎。
その生い立ちを哀れに思った謙信が養子に迎え入れ、この時代で随一美しいと評された景虎は謙信に心を開き、“上杉”の名を正式に背負った。
きつい顔立ちだが抜群に整った容姿で、同じく養子の景勝と同じ位に女子の扱いは下手で、不慣れだ。
なので桃を見た途端景虎も固まってしまい、一歩後ずさった。
「ち、父上…まさか…」
「しばらくここに住まわせるからね、仲良くしてほしいんだ。ほら姫、今目の前に私のもう1人の養子の景虎が居るから声をかけてあげて」
――がちがちに緊張してしまっている桃は謙信の腕に抱かれたまま、どこに居るかわからない景虎に向かって声を上げた。
「桃です、しばらくの間ご厄介になります!今は目が見えないけど、よろしくお願いします!」
その快活な挨拶に、やはりこの時代の女子には似つかわしくない何かを嗅ぎ取った景虎は眉を潜めた。
「景虎、君もちゃんと挨拶を返しなさい。失礼でしょ?」
「し、失礼しました。私は上杉景虎と申します。以後、お見知りおきを…」
そう言いつつ桃から目を離さない三成の存在と、そして奥州の国主である伊達政宗らしき人物と、片倉小十郎と思しき人物が気になって仕方がなく、景勝に耳打ちをした。
「奥州の…馬鹿宗なのか?」
「ああ。それと桃姫から目を離さないのは尾張の石田三成だ。難しい話故、後で父上が俺たちにお話をしてくださる」
大勢の重鎮が城の前に勢ぞろいし、謙信は笑みをたたえたまま城の中に入った。
「ただいま、お目当てのものを持ち帰ってきたよ」
皆が固唾を呑む。
謙信が持ち帰ったものは、可憐で可愛らしい盲目らしき姫君だったからだ。
「殿…そちらは…」
「うん、私の大切な人。皆、粗相のないようにね」
いよいよ猛攻が始まる。