優しい手①~戦国:石田三成~【完】
もう何度愛されたか――
あれから三成は桃を愛し続けて、今まで抑え込んでいたものすべてを桃に見せて吐き出して、
そして桃が耐えられなくなって気絶した時…
荒い息を吐きながら身体を起こして、ぐったりしてしまった桃に浴衣を着せると横たえさせて、何度も何度も口づけをして、布団をかけた。
「…足りぬ。まだだ…もっとそなたが欲しい…!」
求めても求めても足りなくて、ようやく手に入れたのに、まだ桃の頭の中は自分だけではないような気がして、
勝手に嫉妬心を抱いて暴力的に桃を愛したり優しくしたり…
桃から懇願されてもやめることができなくて…
床から抜け出ると、廊下に出て、もう陽が上りかけている空を見上げ、こんな時間までずっと桃を愛してもまだ足りない自分に苦笑しながらその脚で謙信の部屋を訪ねた。
「…入っておいで」
まだ声もかけていないのに謙信の方から声をかけてきて中へ入ると…
片膝を立て、襖に寄りかかりながら盃を一人傾けている謙信と床に転がって爆睡している兼続が居て、目が合うとうっすらと微笑みかけてきた。
「桃に選ばれた感想は、どう?」
「…選ばれた気がしない。桃はまだ迷った状態だった。謙信公、勝ち負けはまだついていないぞ」
――驚いたように目を見張って身体を起こした謙信の前に腰を下ろすと、
恐らく盃をずっと手放さなかったであろう謙信の手からそれを奪い取ると、徳利を無理矢理謙信に持たせて盃を差し出した。
「おやおや…やけ酒は止めた方がいいよ」
「桃を抱いた。何度も何度も、だ」
――すう、と謙信の瞳が細められ、顔から笑顔が消えた。
冷や汗が背筋を伝うのを感じながら盃を揺らすと、にらみ合ったまま酒を満たす謙信の低い声が耳朶を打つ。
「それで?私に何を言えと?」
「俺が秀吉様を寝返らせる。討つべきは織田信長ただ一人だ。俺は貴公の軍門には下らぬ。もし秀吉様が攻めてきた時…俺が説得する。その間…桃を頼む」
酒を口に運ぼうとした時、謙信がそれを奪い取って一気に呷った。
強い酒が喉を焼きながら胃に沁み渡り、ため息を吐きながら、謙信が笑う。
「…私はそれに義で応えよう」
あれから三成は桃を愛し続けて、今まで抑え込んでいたものすべてを桃に見せて吐き出して、
そして桃が耐えられなくなって気絶した時…
荒い息を吐きながら身体を起こして、ぐったりしてしまった桃に浴衣を着せると横たえさせて、何度も何度も口づけをして、布団をかけた。
「…足りぬ。まだだ…もっとそなたが欲しい…!」
求めても求めても足りなくて、ようやく手に入れたのに、まだ桃の頭の中は自分だけではないような気がして、
勝手に嫉妬心を抱いて暴力的に桃を愛したり優しくしたり…
桃から懇願されてもやめることができなくて…
床から抜け出ると、廊下に出て、もう陽が上りかけている空を見上げ、こんな時間までずっと桃を愛してもまだ足りない自分に苦笑しながらその脚で謙信の部屋を訪ねた。
「…入っておいで」
まだ声もかけていないのに謙信の方から声をかけてきて中へ入ると…
片膝を立て、襖に寄りかかりながら盃を一人傾けている謙信と床に転がって爆睡している兼続が居て、目が合うとうっすらと微笑みかけてきた。
「桃に選ばれた感想は、どう?」
「…選ばれた気がしない。桃はまだ迷った状態だった。謙信公、勝ち負けはまだついていないぞ」
――驚いたように目を見張って身体を起こした謙信の前に腰を下ろすと、
恐らく盃をずっと手放さなかったであろう謙信の手からそれを奪い取ると、徳利を無理矢理謙信に持たせて盃を差し出した。
「おやおや…やけ酒は止めた方がいいよ」
「桃を抱いた。何度も何度も、だ」
――すう、と謙信の瞳が細められ、顔から笑顔が消えた。
冷や汗が背筋を伝うのを感じながら盃を揺らすと、にらみ合ったまま酒を満たす謙信の低い声が耳朶を打つ。
「それで?私に何を言えと?」
「俺が秀吉様を寝返らせる。討つべきは織田信長ただ一人だ。俺は貴公の軍門には下らぬ。もし秀吉様が攻めてきた時…俺が説得する。その間…桃を頼む」
酒を口に運ぼうとした時、謙信がそれを奪い取って一気に呷った。
強い酒が喉を焼きながら胃に沁み渡り、ため息を吐きながら、謙信が笑う。
「…私はそれに義で応えよう」