優しい手①~戦国:石田三成~【完】
息が上がり、声を上げる桃にどうしようもなく焦がされて、見つめ合うと口づけをせがむような顔をしてきてまた一気に熱が高まる。


「はぁ…、謙信さ…っ」


「繋がっていなくても、もうひとつだと感じている…。桃…君もそう思ってるんでしょ?」


こうなることは必然だと最初から感じていたのに、桃が選んだ手は自分の手ではない。


だけど…絶対に織田の手から守ってやると誓った。


毘沙門天に。

自分自身に――


「殿、よろしいですか?」


桃が来ていることを知らない兼続が襖越しに呼び掛けてきて、


びくりと引きつった桃の両手を封じ込みながらまた首筋に舌を這わせ、それに答える。


「ごめん、今ちょっと一人で考えたいことがあるから、人払いをしておいて。…君もその間どこかへ行っていてほしい」


「…畏まりました。殿、あまりお悩みになりませぬよう」


「ありがとう」


兼続の気配が去っていくと三成の唇の痕が生々しく残る桃の身体をまたひっくり返して向き合い、見つめ合った。


「私は間男にはなりたくない。君の全てが欲しいんだ。桃…私を拒絶できるかい?私の魂を…」


「ゃ、謙信さん、駄目、私…三成さんの手を…」


「それはわかってる。だったら私を強く拒絶すればいい。どうしてそうしてくれないの?そうしてくれたら…私は…」


そこでまた言葉が止まってしまい、唇を噛み締め、眉を絞った謙信の首に自然と手が回ってしまい…


桃は謙信の頭を引き寄せて、胸に抱きしめた。


「できないよ…拒絶なんて、できない…!二人とも大切なの。二人とも必要なの…」


「…私は最初から出遅れていたんだ。だからこの結果だって飲み込まなければいけない。ああでも桃…君が好きだ。君を愛している…」


背筋を指でなぞると身体が大きくしなり、両手で口を覆う桃の手を外し、激しく唇を重ねた。


「ん、ん…っ」


そして離れたと思って目を開けると、また同じように舌を絡めてくる。

それを何度も繰り返されて、桃はどんどん謙信に絡め取られていく。


「君を諦めない。私は私なりに…生涯君を愛する。答えなくていいよ、私の勝手だから」


揺るがない決意。
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