優しい手①~戦国:石田三成~【完】
軍議を終えて自室へ戻ろうとする間…清野がようやく謙信に声をかけた。
「謙信様…」
「なに?悪いけどもうお仕置きはしないよ」
…それを承知でここまでやって来たのだ。
自分は大した情報は持っていない。
だから家康も簡単に手放した。
謙信に抱かれて以来ずっと、この男を忘れることができなかった。
――前を行く謙信の細くしなやかな腕に触れようとしてはまた引っ込めて躊躇していると…
廊下を雑巾がけしている桃と幸村、それを腕組みして見守っている三成が居た。
「桃、また可愛いお尻が見えてるよ」
「え?なんで誰も教えてくれなかったの!?」
急ブレーキをかけて止まり、捲れたスカートを戻している桃。
そんな桃を三成が愛しげに見つめていることに気がついて、清野は小さく呟いた。
「え…?」
「…桃は三成を選んだ。だけど私は諦めない」
――その謙信の横顔は壮絶に綺麗で、凛とした表情を一瞬見せたがすぐにそれを引っ込めて、幸村たちと部屋の中に入る。
「君は外に」
「…はい」
仕方のないこと。
そう思って謙信の部屋の外に座りながらも幸せを噛み締める。
桃が三成を選んだのならば、いくら謙信でもあきらめざるを得ない。
その時に、謙信を慰めるのは自分だ。
――部屋の中では謙信が桃に血判状を見せて、政宗の名前を見つけると声を上げた。
「わあ、政宗さんのだ!元気にしてるかなあ?」
「政宗公はすでにこちらに向けて進軍しております。何やらとても大切なものを桃姫にお届けするとか」
謙信も三成も、それが何だかは政宗から聞いていたので、敢えて桃にそれを教えず会話を逸らす。
「あの子は若いけど戦上手だから共に味方として戦えるのは嬉しいよ」
「そうなると…謙信公が東軍の総大将か」
「総大将?」
桃が聞き返すと、幸村がそれを丁寧に説明した。
「戦いの場は飛騨…関ヶ原となります。織田軍の総大将は織田信長。上杉軍の総大将は我が殿上杉謙信公。天下分け目の大合戦となりましょう」
「え…、関が原!?」
青ざめる。
歴史はもう…戻らない。
「謙信様…」
「なに?悪いけどもうお仕置きはしないよ」
…それを承知でここまでやって来たのだ。
自分は大した情報は持っていない。
だから家康も簡単に手放した。
謙信に抱かれて以来ずっと、この男を忘れることができなかった。
――前を行く謙信の細くしなやかな腕に触れようとしてはまた引っ込めて躊躇していると…
廊下を雑巾がけしている桃と幸村、それを腕組みして見守っている三成が居た。
「桃、また可愛いお尻が見えてるよ」
「え?なんで誰も教えてくれなかったの!?」
急ブレーキをかけて止まり、捲れたスカートを戻している桃。
そんな桃を三成が愛しげに見つめていることに気がついて、清野は小さく呟いた。
「え…?」
「…桃は三成を選んだ。だけど私は諦めない」
――その謙信の横顔は壮絶に綺麗で、凛とした表情を一瞬見せたがすぐにそれを引っ込めて、幸村たちと部屋の中に入る。
「君は外に」
「…はい」
仕方のないこと。
そう思って謙信の部屋の外に座りながらも幸せを噛み締める。
桃が三成を選んだのならば、いくら謙信でもあきらめざるを得ない。
その時に、謙信を慰めるのは自分だ。
――部屋の中では謙信が桃に血判状を見せて、政宗の名前を見つけると声を上げた。
「わあ、政宗さんのだ!元気にしてるかなあ?」
「政宗公はすでにこちらに向けて進軍しております。何やらとても大切なものを桃姫にお届けするとか」
謙信も三成も、それが何だかは政宗から聞いていたので、敢えて桃にそれを教えず会話を逸らす。
「あの子は若いけど戦上手だから共に味方として戦えるのは嬉しいよ」
「そうなると…謙信公が東軍の総大将か」
「総大将?」
桃が聞き返すと、幸村がそれを丁寧に説明した。
「戦いの場は飛騨…関ヶ原となります。織田軍の総大将は織田信長。上杉軍の総大将は我が殿上杉謙信公。天下分け目の大合戦となりましょう」
「え…、関が原!?」
青ざめる。
歴史はもう…戻らない。