優しい手①~戦国:石田三成~【完】
「やめ、て、離して…っ!」
「離さぬ。そなたは俺のものだ。俺がそなたの純潔を奪った。桃、俺だけを見ろ」
――強引で時々手がつけられなくなるほどの激しさを見せる三成から羽交い絞めにされてまたキスをされて、思いきり肩を突き飛ばして離れると、身体も隠さないまま桧の浴槽から出て、悲鳴交じりに叫んだ。
「私は謙信さんのお嫁さんになるの!もう私は…三成さんのものじゃないの!」
「そなたは俺のものだ」
情熱の炎が燈る三成には何を言っても無駄で、そのまま湯殿から飛び出ると満足に身体も拭かないまま浴衣を着て、セーラー服を胸に抱えて飛び出した。
浴衣が肌に張り付いて気持ち悪くて、三成の決心のこもった表情がとても印象的で忘れられなくて…
すれ違う家臣たちがずぶ濡れの桃を見て驚いていたが、とにかく走って走って謙信の部屋の襖を思いきり開いた。
「おや?悩ましい格好だね」
「謙信さん…っ!」
――今まさに戻って来たばかりの謙信が普段着の着物に着替えようとしていたところで上半身は裸。
白いがよく鍛えられた身体に抱き着いて、思いを吐き出す。
「謙信さん、祝言を挙げようよ。今すぐ…すぐに…」
「また三成に悪戯をされたの?そうでないと君からそんなことを言いだすわけがないからね」
手を引いて続き部屋の桃の部屋へ移動して箪笥を開けて新しい浴衣を取り出すと桃愛用のバスタオルで身体を拭いた。
「あの人、私のこと覚えてないくせに“俺のものだって言うの。おかしいでしょ?馬鹿みたいでしょ?」
「うーん…間違ってはないかな。三成が留守の間に君を横取りしたようなものだし。それがね、自分で許せないんだ」
「謙信さん…私、本当に謙信さんのお嫁さんになりたいんだよ?」
三成のことは、謙信と夜伽をしたことで忘れると決めたのに…この様だ。
――浴衣を着せてやって、また自室に戻って桃を座らせると、団子が乗っている皿を差し出して笑った。
「とりあえず落ち着こうよ。それともその団子、全部私が食べちゃっていいのかな?」
「…駄目。私が食べるの!」
三成とは違う。
謙信はずっと傍に居てくれる。
三成とは、違う。
「離さぬ。そなたは俺のものだ。俺がそなたの純潔を奪った。桃、俺だけを見ろ」
――強引で時々手がつけられなくなるほどの激しさを見せる三成から羽交い絞めにされてまたキスをされて、思いきり肩を突き飛ばして離れると、身体も隠さないまま桧の浴槽から出て、悲鳴交じりに叫んだ。
「私は謙信さんのお嫁さんになるの!もう私は…三成さんのものじゃないの!」
「そなたは俺のものだ」
情熱の炎が燈る三成には何を言っても無駄で、そのまま湯殿から飛び出ると満足に身体も拭かないまま浴衣を着て、セーラー服を胸に抱えて飛び出した。
浴衣が肌に張り付いて気持ち悪くて、三成の決心のこもった表情がとても印象的で忘れられなくて…
すれ違う家臣たちがずぶ濡れの桃を見て驚いていたが、とにかく走って走って謙信の部屋の襖を思いきり開いた。
「おや?悩ましい格好だね」
「謙信さん…っ!」
――今まさに戻って来たばかりの謙信が普段着の着物に着替えようとしていたところで上半身は裸。
白いがよく鍛えられた身体に抱き着いて、思いを吐き出す。
「謙信さん、祝言を挙げようよ。今すぐ…すぐに…」
「また三成に悪戯をされたの?そうでないと君からそんなことを言いだすわけがないからね」
手を引いて続き部屋の桃の部屋へ移動して箪笥を開けて新しい浴衣を取り出すと桃愛用のバスタオルで身体を拭いた。
「あの人、私のこと覚えてないくせに“俺のものだって言うの。おかしいでしょ?馬鹿みたいでしょ?」
「うーん…間違ってはないかな。三成が留守の間に君を横取りしたようなものだし。それがね、自分で許せないんだ」
「謙信さん…私、本当に謙信さんのお嫁さんになりたいんだよ?」
三成のことは、謙信と夜伽をしたことで忘れると決めたのに…この様だ。
――浴衣を着せてやって、また自室に戻って桃を座らせると、団子が乗っている皿を差し出して笑った。
「とりあえず落ち着こうよ。それともその団子、全部私が食べちゃっていいのかな?」
「…駄目。私が食べるの!」
三成とは違う。
謙信はずっと傍に居てくれる。
三成とは、違う。