優しい手①~戦国:石田三成~【完】
とにかく政宗は明るい。

元々は敵国の国主なのだが、最初は動向を警戒していた上杉の重臣たちも最近は城内をうろつく政宗に対して何も言わなくなっていた。


結局夜が更けるまで政宗に笑わされ続けて、しかも謙信は政宗に絡みに絡まれ、今は2人で酒を飲んでいる。


…ということは…


“今夜俺の部屋に来い”


三成にそう言われた言葉の意味は…


「桃」


「ひゃっ!え、み、三成さん!?なに?どうしたの!?」


自室で2人きりになってしまって、おもむろに手を引っ張られて部屋を出ると、三成が向かおうとしている場所に気付いた桃が脚を踏ん張って立ち止まり、逆に三成の手を引いた。


「駄目だってば、私はもう…」


「昨晩謙信に抱かれたことは知っている。何故俺を拒む?俺は謙信に劣っているのか?どの部分だ?」


三成の鋭い切れ長の瞳は狂おしい光に溢れていて、言葉に詰まった。


「今後もう抱かれたくないと言うならば、俺と謙信を同等の条件にしろ。だが今夜は、そなたを抱く。…最初で最後になろうとも」


――最初で最後…

そう切り出されて断れず…、また手を引かれて歩き出す。


「…最後…なんだよね…?」


「…そなたがそう望むのなら。ちなみに謙信は昨晩ので最後だ。今後は何としても拒め」


部屋に着いて襖を閉めた途端、唇を唇で塞がれて、あっという間に帯が外された。


「三成さ、待って、心の準備が…っ」


「待てぬ。どれだけ熱くなっているか、身体で教えてやる」


押し倒され、覆い被され、上半身腕を抜いた。

…見るも無残な刀の傷跡――

こんな傷を浴びながらも戻って来た三成に心が熱くなって、涙が零れた。


「…どうして泣く?そんなにいやか?」


「違うよ…、三成さん、戻って来てくれてよかった…!ずっと待ってたよ…」


見つめ合い、魂を重ね合って、また舌を絡めた熱いキスを交わし、三成が身体を重ねてきて、すぐに熱い吐息が漏れて、重たい身体が心地よくて、手が優しくて…


「三成さん…っ」


「桃、愛している…!離れていくな…っ」


猛る想いは謙信と同じく――


2人の愛に愛を返し、瞳を閉じた。
< 495 / 671 >

この作品をシェア

pagetop