優しい手①~戦国:石田三成~【完】
数日間の猶予を言い渡され、女中としての仕事はもうしなくていいと言われて手持ち無沙汰になった清野は信長を骨抜きにするために、策を講じていた。
与えられた豪奢な着物や打掛類には一切手をつけず、女中だった時に着ていた粗末な着物で日々を過ごし、信長から夜伽の呼び出しがあるまでただひたすら…祈っていた。
――そして数日が過ぎた時の日暮れ。
「今宵は殿が夜伽をご所望だ。湯殿で身体を清めよ」
「は、はい…」
弱々しい女を演じ、恥じらいを見せながら俯くと、蘭丸はしばらくその場に立って見つめていたが、立ち去った。
自身の風呂敷から紅の小箱を取り出して握りしめ、湯殿へ行くと湯を浴びて、身体の隅々まで洗って清めた。
――くノ一となるまでに厳しい修行をした。
男を骨抜きにするためにあらゆる技を習得した。
男が喜ぶ仕草、声、表情…これは、仕事だ。
今まで仕事で男に抱かれた数は数えきれない。
だからこれも仕事なのだ。
…謙信の時は…逆に骨抜きにしてやろうと思って気張ったが…完敗だった。
「…これは仕事なのよ。信長を私に夢中にさせて、やり遂げるわ」
…焦らすのもまた男の気を誘う技。
ゆっくりと湯に浸かって上がり、身体を拭くと、そこで例の小箱を取り出すと蓋を開けて、透明の何かの塗り薬を手につけて…そして、身体のとある場所に塗りこんだ。
――毒だ。
体内に入ると少しずつ身体を侵していき、病を呼び寄せる。
忍は全員毒への耐性を持っている。
清野はこの毒で死ぬことは絶対にないが、身体の弱っている信長には効果覿面だろう。
数多く抱かれれば抱かれるほど、信長は死期を早めることになる。
「早く謙信様の元へ戻りたい…」
やはり与えられた着物は着ずに真っ白な浴衣を着ると信長の私室の前で膝を折った。
「儂を待たせるな」
「も、申し訳ありません…」
――信長は顎髭を撫でながら清野の身体全体を眺めて口角を上げた。
「儂がやった着物はどうした?興味がないのか?」
ふるふると首を振ると、手を差し伸べてきた。
「来い。可愛がってやる」
…勝負。
与えられた豪奢な着物や打掛類には一切手をつけず、女中だった時に着ていた粗末な着物で日々を過ごし、信長から夜伽の呼び出しがあるまでただひたすら…祈っていた。
――そして数日が過ぎた時の日暮れ。
「今宵は殿が夜伽をご所望だ。湯殿で身体を清めよ」
「は、はい…」
弱々しい女を演じ、恥じらいを見せながら俯くと、蘭丸はしばらくその場に立って見つめていたが、立ち去った。
自身の風呂敷から紅の小箱を取り出して握りしめ、湯殿へ行くと湯を浴びて、身体の隅々まで洗って清めた。
――くノ一となるまでに厳しい修行をした。
男を骨抜きにするためにあらゆる技を習得した。
男が喜ぶ仕草、声、表情…これは、仕事だ。
今まで仕事で男に抱かれた数は数えきれない。
だからこれも仕事なのだ。
…謙信の時は…逆に骨抜きにしてやろうと思って気張ったが…完敗だった。
「…これは仕事なのよ。信長を私に夢中にさせて、やり遂げるわ」
…焦らすのもまた男の気を誘う技。
ゆっくりと湯に浸かって上がり、身体を拭くと、そこで例の小箱を取り出すと蓋を開けて、透明の何かの塗り薬を手につけて…そして、身体のとある場所に塗りこんだ。
――毒だ。
体内に入ると少しずつ身体を侵していき、病を呼び寄せる。
忍は全員毒への耐性を持っている。
清野はこの毒で死ぬことは絶対にないが、身体の弱っている信長には効果覿面だろう。
数多く抱かれれば抱かれるほど、信長は死期を早めることになる。
「早く謙信様の元へ戻りたい…」
やはり与えられた着物は着ずに真っ白な浴衣を着ると信長の私室の前で膝を折った。
「儂を待たせるな」
「も、申し訳ありません…」
――信長は顎髭を撫でながら清野の身体全体を眺めて口角を上げた。
「儂がやった着物はどうした?興味がないのか?」
ふるふると首を振ると、手を差し伸べてきた。
「来い。可愛がってやる」
…勝負。