優しい手①~戦国:石田三成~【完】
純情を装い、信長に近付いて枕元に座るとすぐに手を引かれて胸に倒れ込んだ。


「の、信長様、傷が…」


「かすり傷だ、気にするな。それよりおぬし…やけに初々しいが…生娘か?」


「おやめ下さい…どうか…」


――少しだけいやがる素振りを見せて、さらに信長を昂らせることに成功した清野はまんまと押し倒されて浴衣を剥がされ、手が這う。


男が必ず悦ぶ声を上げて鳴いて、まだすぐ近くに控えていた蘭丸に聞かせるようにしながら、両手で胸を庇って顔を背けた。


「森様が…っ」


「蘭、外せ」


「…はっ」


2人きりになり、全てをさらけ出した清野の身体を見た信長の目元が緩んだ。


「これは素晴らしい!儂が存分に可愛がってやるからな」


重なってきた身体。


忍としてくノ一として…心も身体も殺す方法を知っている。

まがいものの喘ぎ声を上げながら身をくねらせる清野は艶めかしく、そして床についた血に信長が子供のような笑みを浮かべた。


「やはり生娘だったか。どうだ、儂の側室になるか?事と次第によっては正室にしてやっても構わぬぞ」


「そ、んな…お戯れを…っ」


――もちろん生娘…処女なわけではない。

くノ一に伝わる技でもってそう見せかけただけで、それを信じた信長はますます荒ぶって清野を責め立てる。


…瞳を閉じて、謙信の顔を思い浮かべた。

そうしているうちにまがいものの喘ぎ声ではなく、本気で声を上げて鳴いてしまい、浮かれた信長は何度も何度も清野を抱いて離さなかった。


…自分にのめり込んでいっているのがわかる。


ただ生娘を演じなくてはならないので、自分からは一切動かず、信長の背中に爪を立てるのみ。


「どうだ、良くなってきただろう?もっと気持ちよくしてやるからな、清野…」


「のぶ、なが、様…っ」


――とても死期の近い男とは思えない。

体力は底なしで、持久戦のように何度も抱かれながら時々謙信とのことを思い浮かべて、だからこそ耐えられる。


「そなたの望むものは何でも与えてやるぞ。その代わりいつも儂の傍に居ろ。いいな?」


「は、い…っ」


――地下へ行くチャンスを掴み取る。
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