優しい手①~戦国:石田三成~【完】
城を出ようとした時、笠を深く被った1人の男とすれ違った。
と同時に三成とその男の脚が止まり、走り出そうとしていた桃が急ブレーキをかけて振り返る。
「三成さん?」
「おお…三成様、やはりあなた様でしたか!」
「左近?その声は左近だな?よく来たな、待っていたぞ!」
笠を取った男は髪を短く切り、表情は明るく、豪快な人柄のようで、三成と堅い握手を交わした。
「ここまで呼び出してすまなかったな、優秀な人手が居るんだ、傍で戦ってくれ」
「御意。あなた様の為ならばこの命投げ打って戦いましょう」
「あ、あの…」
桃が怖ず怖ずと声をかけ、また最近は馬に乗らず、桃のランニングに走って付き合っていた幸村がやや桃を庇うようにして立つと、左近と視線を交わす。
…一騎当千の男は、左近が隠している爪に気付いていた。
左近は兵をうまく使い分け、より戦術的に戦を進めて三成に足りない部分を補い、そして三成の部下でありなが、諫言をも厭わず真っ直ぐに進言し、信頼を勝ち得てきた。
桃もまた左近の名は知ってはいたが歴史に詳しいわけではなく、勇猛そうな左近の手を躊躇なく握って驚かせると、にこっと微笑んだ。
「桃です。力を貸してくれてありがとう!」
「おお、あなた様が桃姫様ですね。吾輩は島左近と申します。ほう、あなた様が手紙に書かれてあったお方か…」
しげしげと桃を四方八方から見つめて、桃が首を傾けた。
「手紙?」
「さ、左近、ついて来い!謙信公に会わせる!」
「御意!あの無敗の上杉謙信公とお会いできるとは!」
嵐のように去って行く2人をぽかんとしたまま見送り、背に乗っける者の居なくなったクロが鼻を鳴らして桃の肩を突いて来た。
「えー?私、走りたいのに!」
「ぶるるん!」
仕方なくクロに乗ると幸村もひらりと騎乗し、片手で桃の腰を抱き、片手で手綱を握ると坂を下り始めた。
「左近さん、明るい人みたいだね」
「ですが勇猛な武将です。士官を断り続けた左近殿を三成殿が説得し続けて絆を結んだとのことですが…1度戦ってみたかった」
相変らずの戦馬鹿な発言に笑いながら春日山城を出た。
と同時に三成とその男の脚が止まり、走り出そうとしていた桃が急ブレーキをかけて振り返る。
「三成さん?」
「おお…三成様、やはりあなた様でしたか!」
「左近?その声は左近だな?よく来たな、待っていたぞ!」
笠を取った男は髪を短く切り、表情は明るく、豪快な人柄のようで、三成と堅い握手を交わした。
「ここまで呼び出してすまなかったな、優秀な人手が居るんだ、傍で戦ってくれ」
「御意。あなた様の為ならばこの命投げ打って戦いましょう」
「あ、あの…」
桃が怖ず怖ずと声をかけ、また最近は馬に乗らず、桃のランニングに走って付き合っていた幸村がやや桃を庇うようにして立つと、左近と視線を交わす。
…一騎当千の男は、左近が隠している爪に気付いていた。
左近は兵をうまく使い分け、より戦術的に戦を進めて三成に足りない部分を補い、そして三成の部下でありなが、諫言をも厭わず真っ直ぐに進言し、信頼を勝ち得てきた。
桃もまた左近の名は知ってはいたが歴史に詳しいわけではなく、勇猛そうな左近の手を躊躇なく握って驚かせると、にこっと微笑んだ。
「桃です。力を貸してくれてありがとう!」
「おお、あなた様が桃姫様ですね。吾輩は島左近と申します。ほう、あなた様が手紙に書かれてあったお方か…」
しげしげと桃を四方八方から見つめて、桃が首を傾けた。
「手紙?」
「さ、左近、ついて来い!謙信公に会わせる!」
「御意!あの無敗の上杉謙信公とお会いできるとは!」
嵐のように去って行く2人をぽかんとしたまま見送り、背に乗っける者の居なくなったクロが鼻を鳴らして桃の肩を突いて来た。
「えー?私、走りたいのに!」
「ぶるるん!」
仕方なくクロに乗ると幸村もひらりと騎乗し、片手で桃の腰を抱き、片手で手綱を握ると坂を下り始めた。
「左近さん、明るい人みたいだね」
「ですが勇猛な武将です。士官を断り続けた左近殿を三成殿が説得し続けて絆を結んだとのことですが…1度戦ってみたかった」
相変らずの戦馬鹿な発言に笑いながら春日山城を出た。