優しい手①~戦国:石田三成~【完】
“姫若子”と呼ばれている意味がわかった。
女子のように線が細く大人しいという意味のようで、そう揶揄されるのも納得できるほど綺麗な男で、つい桃が見惚れると政宗が大きく咳払いをした。
「そこの姫若子は軟弱に見えるが多くの武勇伝を持っている。これは俺たちも侮らぬ方がいいな」
「軟弱とは失礼な。これでも貴公より背は高い」
プライドの高さは随一の政宗が隻眼でぎらっと元親を睨みつけ、秀吉と同盟を結んでいることもあってか、三成にとっての元親は戦友に等しく、親しげに笑いかけた。
「海側は水軍が固め、後は雪が降り出す前に決着をつける。清野の働きが重要になってくる」
「報告は受けてるよ。毛利の軍を引きつれて秀吉公の軍を突破する目論見らしいから、秀吉公には“そのまま通してほしい”とお願いしてある。三成、そうだね?」
「ああ。ここへ着くまでに兵は疲弊するだろうが、徳川軍と合流すればさらなる大軍となる」
――難しい話になってきて居心地悪く身体を動かすと、目の前に座っている元親が笑いかけて来て、つい桃もふにゃっと笑い返すと、謙信からぎゅっと手を握られた。
「謙信さん?」
皆からは見えないように手を握り、さも普通に話し続ける謙信の横顔を見ながらちょっとドキドキして、視線を感じて顔を上げると三成がこちらを見つめていた。
意外と負けず嫌いですぐやきもちを妬く三成にまた後で責められる前に自分から手を握ろう、と決めて、着いたばかりの元親と左近を気遣った謙信が女中を呼び寄せて2人を客間へと案内させる。
「今宵は酒宴を開いてもてなしたいんだけど」
「いいですな、盃を交わして絆を強固なものへとしましょう」
左近がノリノリで乗って来て、あまり喋らない元親がようやく口を開いた。
「では桃姫もご一緒に」
「え」
「そうだね、桃も美しく着飾って左近と元親を驚かせてあげるといい。ほら、あの打掛を着たら?」
謙信に肩を抱かれてかくかくと頷くと、立ち上がった元親はかなり背が高く、座っていた桃が首が痛くなるほどに見上げた。
「ではまた後程」
謙信が耳元で囁いた。
「次は元親かな?」
ライバル出現?
女子のように線が細く大人しいという意味のようで、そう揶揄されるのも納得できるほど綺麗な男で、つい桃が見惚れると政宗が大きく咳払いをした。
「そこの姫若子は軟弱に見えるが多くの武勇伝を持っている。これは俺たちも侮らぬ方がいいな」
「軟弱とは失礼な。これでも貴公より背は高い」
プライドの高さは随一の政宗が隻眼でぎらっと元親を睨みつけ、秀吉と同盟を結んでいることもあってか、三成にとっての元親は戦友に等しく、親しげに笑いかけた。
「海側は水軍が固め、後は雪が降り出す前に決着をつける。清野の働きが重要になってくる」
「報告は受けてるよ。毛利の軍を引きつれて秀吉公の軍を突破する目論見らしいから、秀吉公には“そのまま通してほしい”とお願いしてある。三成、そうだね?」
「ああ。ここへ着くまでに兵は疲弊するだろうが、徳川軍と合流すればさらなる大軍となる」
――難しい話になってきて居心地悪く身体を動かすと、目の前に座っている元親が笑いかけて来て、つい桃もふにゃっと笑い返すと、謙信からぎゅっと手を握られた。
「謙信さん?」
皆からは見えないように手を握り、さも普通に話し続ける謙信の横顔を見ながらちょっとドキドキして、視線を感じて顔を上げると三成がこちらを見つめていた。
意外と負けず嫌いですぐやきもちを妬く三成にまた後で責められる前に自分から手を握ろう、と決めて、着いたばかりの元親と左近を気遣った謙信が女中を呼び寄せて2人を客間へと案内させる。
「今宵は酒宴を開いてもてなしたいんだけど」
「いいですな、盃を交わして絆を強固なものへとしましょう」
左近がノリノリで乗って来て、あまり喋らない元親がようやく口を開いた。
「では桃姫もご一緒に」
「え」
「そうだね、桃も美しく着飾って左近と元親を驚かせてあげるといい。ほら、あの打掛を着たら?」
謙信に肩を抱かれてかくかくと頷くと、立ち上がった元親はかなり背が高く、座っていた桃が首が痛くなるほどに見上げた。
「ではまた後程」
謙信が耳元で囁いた。
「次は元親かな?」
ライバル出現?