優しい手①~戦国:石田三成~【完】
女中がてきぱきと床を3人分敷いて、ダブルベッドならぬトリプルベッドになっただだっ広い床は最高に寝心地がよさそうで、


緊張しながら立っている三成と、何を想像しているのか含み笑いの謙信と…


そしてテンション最高潮の桃が我先にと真っ白なシーツの床に寝転がり、歓声を上げた。


「わ、気持ちいー!…?三成さんも謙信さんも寝ないの?」


「…そなたはもう少し緊張感を持たなければ駄目だ」


「?」


「3人かあ…。まあ、そういうのも有りなのかな」


「??」


――桃を真ん中にして三成と謙信が両隣に寝転び、そこで右を向いても謙信、左を向いても三成の事実にようやく気がついた。


「ふふ、寝返りを打てなさそうな状況になっちゃったね。ぜひ私の方を向いて寝てほしいなあ」


「え、えっと…」


「桃、こっちを向いて寝たほうがいい。そっちを向いて寝顔など見せると…大変なことになるかもしれぬぞ」


「えっとえっと…まっすぐ寝ます!」


両隣とも、その手を選べないほどに愛している男だ。


何も考えず後先なしで提案したはいいものの、目が冴えてしまって身じろぎしていると、布団の下で謙信と三成が手を握ってきた。


…大きくて、あたたかくて、優しい手。


顔だけ謙信の方に向けると、暗がりの中目がなれずに目を細めていると…

三成にわからないようにして、頬にキスをしてきた。


声を上げてはならない。

気付かれてしまったら、離れて行ってしまうかもしれない――

じっと見つめ合っていると、左手を握る手に力がこもって今度は三成の方を向くと…その時には目が慣れていて、冴え冴えとした鋭い印象の目元が和らいでいて、腰に手を回してきた。


「こら、抜け駆けは禁止だよ」


「腰に触れているだけだ。これが抜け駆けなのか?」


「挑戦的だねえ。じゃあ私は…」


限りなく胸に近い位置に腕が回ってきてぎゅっと抱き寄せられて、2人から半端なく密着された桃は…とうとう笑い声を上げた。


「もうやめてよっ、私は寝たいの!」


「君が隣に寝ていてやすやすと眠れるわけがないよ。わかってないなあ」


結局桃が眠るまで2人は起きていた。
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