天神学園大新年会
「ねぇアリスカちゃん!」

快活少女は特にアリスカを気に入ったらしく、やたらと懐いた。

「お餅って食べた事ある?ロシアにはないでしょ、お餅!」

宴会の席に並べられていたのか、焼いた餅を持ってきて、アリスカの前に置く。

「食べて食べて!美味しいんだから!」

「あ、有り難うございます…」

「『ございます』なんてやめてってば、私達同年代なんだからさぁ」

これで昔は引っ込み思案で、内向的な性格だったというから信じ難い。

割と勝気なアリスカが押され気味になるくらい、快活少女は元気一杯だった。

「あ、あんまり無理言わないで下さい…アリスカさん困ってるじゃないですか…」

眼鏡男子が窘めるが。

「何をカッコつけてんのよぉ!彼女の前だからって生意気ぃっ!」

快活少女が眼鏡男子をヘッドロックで捻じ伏せる。

その姿は、まるで仲の良いクラスメイトみたいで。

肝心な所で押しが弱いアリスカよりも、ずっと眼鏡男子にお似合いのように見えた。

< 208 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop