契約恋愛~思い出に溺れて~
「そうか。いや、さっき達雄から電話があって、夜飲むことになってさ。一緒にどうかと思ったんだけど」
「私はやめときます」
「えー、お友達と飲むならぁ。私が行こうかぁ?」
彼女が隙をついて英治くんの腕につかまる。
そもそも、昼間彼女とデートしていて夜に別の約束入れるのもどうなんだろう。
「千佳との約束は5時までだろ」
「……ちぇー」
彼女は不貞腐れたように、そっぽを向くと「トイレに行ってくるね」と歩きだした。
平然とした顔の英治くんの肘を小突く。
「なんだよ」
「あの言い方は無いんじゃないの。可哀そうに、彼女泣きそうになってたじゃない」
「彼女っていうか。ちょっと頼まれてるだけだから」
「なにそれ」