契約恋愛~思い出に溺れて~

 その日、紗優はずっと大喜びだった。

家に帰って一緒に食事をして、お風呂に入って一緒にお布団に入る。


「てをね、にぎってたらおんなじゆめがみれるよ?」

「へぇ。じゃあ今日は紗優と夢の中でも遊べるね」

「うん。ママをにじのくににつれていってあげる」


そう言って、自分で考えた虹の国の話を聞かせてくれた。
話の途中で言葉がどんどん途切れて来て、やがて呼吸は寝息に変わる。

あどけない寝顔は、私の疲れを取ってくれる一番の薬だ。

紗優がいてくれるから、こうして頑張れる。
全身で頼ってきてくれる子供は、煩わしさもあるけれどそのけなげさに救われる。


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