契約恋愛~思い出に溺れて~
店内に入ると、今日はギターの音が響いた。
オーナーが演奏しているのが見える。
私は薄暗い店内を見回して、達雄と英治くんを探した。
「紗彩ちゃん、こっち」
英治くんが私を先に見つけて片手をあげる。
近くまで行くと、達雄がもうテーブルに突っ伏してるのが見えた。
「ちょっと達雄」
「あ、あれ。あんで紗彩」
「なんでって。大丈夫なの?」
「んー。らいじょうぶ」
ろれつの回らない口で、達雄は一生懸命話し、そしてまたうつ伏せる。
もう半分眠ってるような状態だ。
私は溜息をついて、英治くんを見た。
彼は片目をつぶって、やれやれというようなしぐさをする。