契約恋愛~思い出に溺れて~
「やっぱり紗彩ちゃんと達雄は、それ以上にはならないの?」
「え?」
「俺はさ、二人ともいつかは本気になるんじゃないかって思ってた。
正直、達雄の恋は不毛だと思うし、紗彩ちゃんだってそうだろ?
死んだ人間が生き返る訳じゃない。
もしうまくいけば一石二鳥じゃないか。
でも、二年たっても達雄には変化なし。
紗彩ちゃんも、達雄に恋愛感情があるようには見えないよね」
心臓がドキリとなる。
何を言われるのか、想像がつかない。
口に溜まった唾液に苦みに似た何かを感じるのは、なぜだろう。
「なにを、……言いたいの?」
「届かない相手を好きでいてもいいよって、誰も認めてくれないから、二人で認め合って慰め合い続けるだけ? 二年も?」
ザクリと切りこまれたような気がした。
そのくらい、英治くんの言葉には容赦がない。