契約恋愛~思い出に溺れて~

綾乃ちゃんの視線が、宙を泳ぐ。

不安と期待と入り混じってるような視線。

安心させてあげたら、この子から動くのかしら。

そうしたら、達雄は幸せになる?


……自分の叶わない想いを、この時私は達雄に託そうと思ったのかも知れない。

私の相手はもういない。
死んでしまったから。

でも届くなら。
生きているなら。

自分を殺してる必要なんかないでしょう?

あなたは幸せになったら良い。
今まで慰めてくれただけで感謝してる。

どっちみち、潮時な頃に来ているような気もしていた。

< 133 / 544 >

この作品をシェア

pagetop