契約恋愛~思い出に溺れて~
「……酔った勢いで最後までいけなかったの?」
「俺は、兄貴だ。紗彩だっているし」
「私を言い訳にしないで。
手が届くのならちゃんと気持ちを伝えてって、私はずっとあなたに言っていたはずよ」
厳しい私の声に、達雄がますますしょげる。
「……きっと言っても分かってもらえない」
ポツリと言った言葉はとても頼りなく響いた。
私は英治くんの方を見た。
彼は小さく頷いて、達雄の背中を軽く叩き、続きを促す。
「言えよ」
「そうよ。言っても分からないなんて決めつけないで」
「……」
私と英治くんにそう言われて、達雄は渋々と話しだした。