契約恋愛~思い出に溺れて~
渦巻く感情は止まらなくて。
不快感が全身を埋め尽くして、
私の口からはずっと考えていたことがこぼれ出す。
「……別れましょう」
「紗彩?」
私の言葉に、達雄が驚いて腰を浮かす。
私は彼の顔をじっと見つめたまま、思いつくままに告げた。
「もう潮時よ。別れましょう。
あなたは自分の気持ちを認めるべきよ。まだ手に入るうちに」
「紗彩」
「私はあなたと結婚するつもりはない。ただ、慰めてもらっていただけ。
あなたが好きな人に手が届かないと思っていたから付き合っていただけ。
手が届くのなら、ちゃんと捕まえて。ちゃんと自分の好きな人と向き合って」
「俺は」
口ごもり俯く達雄に、更に言葉を重ねようとすると、英治くんが制止の手を伸ばした。