契約恋愛~思い出に溺れて~
少し苛立って追究しようかとした時、
黙って見ていた英治くんが、ゆっくりと紗優に笑いかけた。
「ブロッコリーは嫌い?」
「ううん。マヨネーズつけたらすき」
「俺も子供の時そうだったな。食べたくないって言って、親父を困らせたこともあった」
「おじちゃんも?」
「ああ。ブロッコリー投げつけて怒られて、泣かされた」
「うそー」
「ホント。俺は結構悪ガキだった。
でも今なら分かるな。ママの言うことは本当だ。
バランス良く食べないと大きくなれない。
おじちゃんも、叱られながら食べてこんなに大きくなったんだよ?」
「……」
紗優は、お皿の上のブロッコリーと英治くんを何度か見比べた。
「……やっぱり、食べる」
そして、ブロッコリーを口の中に入れ、嫌そうな顔をしながらも噛んで飲み込んだ。
「よし、エライ」
「……うん!」
少し涙目で、満足そうに頷く紗優を見ていたら、何だか胸がきゅっと詰まった。