契約恋愛~思い出に溺れて~


嬉しいの半分、悔しいの半分だ。

私の言うことは聞けなくて、英治くんの言うことなら聞くんだ。

そう思ったら、悔しくて堪らない。


「……仲良しね」


私の少し拗ねたような声に、英治くんは苦笑する。


「順番の問題だよ。
一度言ったら引っ込みがつかないってあるだろ。
俺が先に言って後で紗彩ちゃんが言ったとしても結果は同じだ」

「そんな事、ない」


英治くんは困ったように紗優に問いかける。


「ママの気持ち、分かったから、食べたんだろ?」

「うん。ママ、ごめんね。サユいじはって」


紗優にまで謝られたら、意地を張ってる訳にはいかない。

ばつが悪いって気持ちもあるけど、
二人の顔を見ていたら、いつまでも不貞腐れてるのはあまりに大人げない気がした。


「ううん。ママもごめん。ちょっとヤキモチだわ。あんまり二人が仲いいから」


そう素直に言ったら、紗優も英治くんも笑った。
それが嬉しくて、何だか幸せな気分になる。
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