契約恋愛~思い出に溺れて~
それから、英治くんからの連絡は途絶えた。
あんな風に切ってしまって、気にはなっているけど、私からかけれるはずもない。
週末、紗優は英治くんの事を気にしていたけれど、私はなるべく考えたくなくて、掃除や洗濯に異常なほど熱心に取り組んでいた。
一通りやることがなくなってしまうと、いてもたってもいられなくなって、紗優を連れてユウのお墓参りに行くことにした。
時期外れのお墓参りに、紗優は不思議そうに私を見ている。
北風に、菊の花があおられる。
人気のない墓地は、無性に寂しくて、ユウの面影を感じる事は出来なかった。
そのまま、ふらふらと二人で街を歩いた。
「紗優、海見に行こうか」
ポツリと、私の口からこぼれ出したのはそんな言葉。
ユウを見つけたかった。
もう一度ユウに会いたかった。
寒くて、苦しくて、寂しさに耐えられない。