契約恋愛~思い出に溺れて~
土曜日、私と紗優は早めに家を出た。
紗優にも母にも気分転換をさせてあげたかった。
母にしてみれば、60歳を過ぎてまで子育てを押し付けられていることへの不満があるのだろう。
言われても仕方ない。
私は仕事をしている時間の方が長い。
実際、母に手伝ってもらわなければ、紗優を育てることはとても大変だもの。
駅まで行って地下鉄に乗る。
まずはデパートにでも行って、時間をつぶそう。
「ママ、きょうはおじちゃんのとこいくんだよね?」
「うん。あとでね。先にちょっとお買い物しようよ。紗優は欲しいものないの?」
「えっとね。ふでばことかほしい。マユちゃんもう、かったんだって」
「ああ、そうね」
小学校に入学したら必要なものだ。
そういう細々としたものをそろえるのを忘れていた。