契約恋愛~思い出に溺れて~

紗優と一緒に文具を選んで、そのままデパートで昼食をとる。
食べ終わった後、念の為達雄に電話を入れた。


『紗彩?』

「達雄? 今日家に居る? ちょっと、お線香だけでもあげさせてもらいたいんだけど」

『え? ……ああ、英治が教えたのか?』

「うん」


そう言うと、わずかばかりの沈黙があった。

そういえば、
どうして達雄は私に教えるななんて言ったんだろう。

ふと、そんな事を思った。


『……そう。いいよ。綾乃もでかけてるし、いつでも』

「じゃあ、今からいくわね」


本屋で絵本を立ち読みしていた紗優に声をかけ、デパートをでる。
タクシーを止め、達雄の家の住所を告げた。

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