契約恋愛~思い出に溺れて~
食事をしながら、楽しそうに私と英治くんの顔を交互に眺める紗優。
口元にソースをつけているのにも気づかずに話し続ける。
そんな紗優が見てると自然に笑顔が浮かんでくる。
ふと英治くんを見ると、彼も穏やかそうに笑っていて、胸が温かくなった気がした。
人から見たら、仲の良い家族に見えるのかしら。
私と、紗優と、……英治くんが。
嬉しさと同時に、チクリと痛む。
ユウを置いてきぼりにしているという罪悪感が捨てきれない。
いつまでもこだわっていても仕方ないのに、
どうしても時折り思い出してしまう。
「どうかした?」
英治くんがこちらを見て笑う。
胸が痛くて、少し苦しい。
「……ううん。なんでもない」
上手く笑えてたかなんてわからない。
でも、そんな顔しかできなかった。