契約恋愛~思い出に溺れて~
食事を終えて店を出て、再び英治くんの車に乗り込んだ。
動き始めて数分で、今度は紗優が眠りにつく。
「これ掛けてあげて」
先ほどまで私が借りていたジャケットを今度は紗優に貸してくれる。
小さくうめいた紗優を、後部座席に横たわらせた。
すると突然車が停まって、私は驚いて顔を上げた。
「……前、来ない?」
英治くんが振り向いてそう言う。
私は促されるまま、助手席にうつった。
「お、お邪魔します……」
「ハイ、どうぞ」
クスクスと笑う彼の声と共に、座席に座る。
そしてシートベルトを締めると、彼が再び車を走らせた。