契約恋愛~思い出に溺れて~
「あ、ごめん。匂う?」
そういいながら、煙草を灰皿に押しつけて火を消した。
「座って待ってて。なんかあったかいものいれてくる」
手を離されて、少しだけ寂しい気分になる。
飲み物よりも英治くんの手の方があったかいのに。
コートを脱いで、ベッドに背中をつけて座った。
そのうちに、紅茶のいい匂いがしてきた。
「なんか、こんなのしかなかったけど」
そういいながら、ティーパックをいれたままのマグカップを二つ持ってくる。
「はい、あったまって」
「ありがとう」
「急にくるなんて驚いたよ」
英治くんが隣に腰掛けると、自然に腕が当たって緊張が増す。